はい、ようこそいらっしゃいました。
今までで色んなスプレーアーティストを
見てきて思ったんですけど
ほとんどの人が
「あ、やっぱそこに行き着きますよね」
ってなる
いわゆる壁みたいな、
分岐点みたいなものを発見したんですけどね
まぁ人のアートを僕の基準で
とやかく言うのもおこがましい話なんですけど
“スプレーアート”としてやっていくのに
頭に入れて置いたほうがいいかもしれない話なんで
参考になればなと思います
最初に言っておきますけど
完全に僕の主観的な話ってことはご理解頂きたい
スプレーアートの特徴
まず僕が思うスプレーアートの特徴というか
良い点を最初に主張しておきます
①圧倒的な早さで
②思いもよらない道具で
③ダイナミックな方法なのに
繊細で誰が見てもキレイな絵が仕上がること
これに尽きると思ってます。
だから、見てる人は魔法でも見てるかのような気持ちになると思うんですよね。
大袈裟な話ではなく。
ということで、この要素をスプレーアートの軸として
スプレーアーティストがぶつかりやすい壁について話していきます。
スプレーアートの限界
じゃあさっきの要素の
「②思いもよらない道具」が具体的に何を指すかと言うと
基本的には
・惑星を作るための丸いフタ的なもの
・紙切れ
これさえあれば大体のものが描けるんですよね。
ただ、やっぱりこの2つだけを使ってると
限界があるんですよね。
以前にスプレーアートに対する考え方について書いたんですけど
スプレーアートって基本的に引き算なんですよね。
これが他の絵画との決定的な違いやと思うんですけど。
だからスプレーの性質的に
『引き算方式で丸いフタと紙切れ』という条件を守ると
細かいものは描けないんですよ。
スプレーの出る量が決まってるので。
なので、より細かくより具体的なものを描こうとすると
この2つ以外の道具を使わないと
限界を超えられないんですよね。
行き着く先
そこでみんなが手を出すのが
筆や“ステンシル”という型です。
ステンシルは人間とか動物を形取ったものを使う人が多いですけど
中にはこんなすごいことする人もいます。
彼は僕が思う世界一のスプレーアーティストと思っていて
彼の世界観が好きやったんですけど
結局ステンシルに走ってしまったかと
正直残念ですw
彼のステンシルは結構手が込んでるように見えるんですけど
基本的には黒色でサッと吹き付けるだけで終わらせる人が多いんで
観客からすると一瞬で動物とか出てきて
驚きにつながる部分はあると思うんですけど
型が見えてしまえば何が出てくるのか予想は付くんで
最初に言った②思いもよらない道具という
スプレーアートの良さが消えてしまいます。
それに足し算になるんで
型さえ作ったら何でも来いになるのが
なんかズルいなとw
ちなみに、どうしても難しいんで
ドバイに行った時にモスクを描くのに
ステンシルを使いましたw
でもまぁステンシルはスプレーアートの良さの範囲内やと思うんで
まだマシかなって部分はあるんですけど
こういうのは最悪やと思います
スプレーでやる必要性…
僕がまだ初心者の頃
何も考えずに「こんなキレイな絵も描けるのか」
って憧れてた時期があって色々調べたんですけど
こういうのどう思います?
最初はね、「うわ、めっちゃ上手いやん」って思ったんですけど
これ、スプレーでやる意味なくね?
ってふと思ったんですよ。
筆とかスポンジとか多彩な道具を使って
ほぼほぼ塗り込んでるだけじゃないですか。
これ完全に足し算なんで
普通の絵画と変わらないんですよね。
なんならスプレーってアクリルのものが多いんで
ただのアクリル絵なんですよ。
他の絵画でもスポンジとか普通に使いますからね。
これに至っては
①圧倒的な早さ
②思いもよらない道具
③ダイナミックな手法
全部ないんでw
めっちゃ上手いのはわかるけど
果たして“スプレーアート”って呼べるのか…
って思うんですよね。
むしろ、一緒にせんといてくれ。
みたいな。
たぶん、だから再生回数もそんなないんやろうけど
競争率にご注意
とは言え僕がまだ守破離の守を徹底してた頃、
その頃から足し算には抵抗はあったんですけど
“出来なくてやらない”のと
“出来るけどやらない”のは違うと思って
一応ひと通りやりましたけどね
やり始めると意外と面白くて、
もともと絵がヘタなのもあってそれなりのものが描けると嬉しくて
ハマってしまいそうにはなるんですけどw
ここでみなさんに言いたいのは
「競争の激しい所に自ら足を突っ込んでいいんですか?」
ってことです。
そのスタイルが自分が描きたいもの、表現したいものなら
それでいいと思うんです。
ただ、闇雲に上手い人のマネをして
思考停止状態で「他のアーティストすげぇ!」って
“ただのスプレーを使った絵”に走ると
油絵とかアクリル絵で上手い人なんて死ぬほどいるんで
差別化が難しい世界で戦うことになりかねないんですよ
塗り込む系だけじゃないですよ。
ステンシルも同じです。
ほとんどのスプレーアーティストが
ひと通りスプレーアートテクニックを覚えた後
引き算手法の壁に当たって
ステンシルか塗り込み系のどちらか、
もしくは両方混ざった、いわゆる足し算アートにシフトチェンジするんで
同じことやると競争率が高くなるのは目に見えますよね。
一度立ち止まって、よく考えた上で
やりたいことがそれならいいと思いますが
何も考えないと「その他大勢」になってしまうんで
自分の“スプレーアート”スタイルを
再確認することをオススメします
って言っておきながら
僕も全く塗り込まないわけじゃないんですけどね
てへぺろ