絵画は無価値?100万の車より100円の絵を売る方が難しい理由

はい、ようこそいらっしゃいました。

 

今回はスプレーアートのみならず絵そのもの、

ひいては芸術というものの本質について

タイトルの通り絵を売るのは難しい、

画家として、芸術家として生きていくのはハードルが高いですよね。

タイトルは盛ってますけど。

 

スプレーアーティスト、画家芸術家になりたい人へ

みなさんが闘おうとしているのはどんなステージなのか

 

「アーティスト」としては未熟なりにも

世界のアートマーケットを見てきた現実と感想

 

そして、アーティストとして食べていくには何が必要なのか

完全に僕の主観で話していきます。

 

生きていくのに必要なものとは

まず始めに、アートの本質を説くために

そもそも人間が生きるために必要なものの話をしましょうか。

 

普段の生活で考えもしないことを話すんで

ちょっと戸惑うかもしれないですけど

 

 

ここで一度考えてみてください。

 

「今の生活に必要なものって何ですか?」

 

 

なんとなくですけどスマホが一番に思い浮かびそうですね。

 

みなさんが普段の生活を送るために使っているモノです。

 

ケータイ、パソコンとか車や電車

トイレお風呂やベッド、家そのもの

テレビやラジオ、洗面用具や掃除道具

それらを手に入れるためのお金、クレジットカード、、、

 

細かいものまで挙げていくとキリがないですね。

 

 

ではもう一歩踏み込んだ質問です

 

「人が生きていくのに必要なものって何ですか?」

 

 

まだスマホがランクインしますかねw

 

車も必要ですか?

お風呂には入りたいですね。

ベッドでスヤスヤ寝たいし雨風をしのぐ家も必要

トイレにはウォシュレットも欲しいしトイレットペーパーも使う。

 

 

どうですか?

本当に必要ですか?

 

あんまり回りくどいと面倒なんでハッキリ言っちゃいますけど、

それらは今の生活を維持するのに必要なものであって

 

人間が生きるために本当に必要なものなんて超少ないです。

 

 

本来の人間の行動

動物そのものの行動と言えば

 

食べて

寝る

 

それだけですよね。

 

 

三大欲求なんて言いますけど

本来生きていくのに必要なものと言えば

 

・飲食

・睡眠

・生理的行為(排泄と子孫繫栄)

 

たったこれだけです。人間も紛れもない動物です。

 

それを便利にしているのが普段僕たちが使っている道具です。

 

幸にも不幸にも人間だけが高度な知恵を与えられて(一般的な意味で)

過去の偉人が発明したもので生活が成り立ってます。

 

経済発展してきたのは効率、利便性を求めた結果です。

経済発展の目的であるお金も、

もともとは生活(飲食)を便利にするために生まれたんです。

 

 

要は人間は”楽”をしたくて文明を発達させてきたんです。

 

まぁ、それぐらいわかってますかね。

 

じゃあ何でアートの話で生きるために必要なものの話をしたのか

 

「本来は飲食、睡眠、生理現象しか必要ない」

ということを念頭に置いて

芸術の必要性について話していきます

 

芸術は本来は価値がない

そもそも論になりますけど

 

さっき話した三大欲求をベースに考えると

絵や音楽を含む芸術そのものが

 

人が生きていくのに必要なもの”ではない”ということになりますね。

 

食べて寝てうんこできたらいいわけですから。

 

僕の言いたいこと分かりますよね?

敢えて極論を展開してきましたけど、その方がスッと納得してもらえたかと思います。

 

芸術に携わる身ではありますけど、

僕はそういう本質的な意味で「芸術には本来は価値がない」と思っています。

 

 

じゃあここで言う芸術とは何か

 

芸術は英語でアートですよね。

一般的に〇〇アーティストとつくもの

 

スプレーで絵を描くスプレーアーティスト

ミュージシャンもアーティストって呼ばれますね。

メイクアップアーティストとか

彫刻家もアーティストですよね。

 

他にも色々あると思いますけど、パッと思い浮かんだものはこんな感じです。

 

 

ここで少し話を戻します。

 

さっき「生きていくのに必要なものは三大欲求しかない」って言いました。

 

それは分かりやすく本質を主張するために

便宜上そういう言い方をしたんですけど

 

現実的な話、「普段の生活に必要なもの」

これはさっき言ったスマホやとか車とか冷蔵庫とかになりますよね

 

“明らか”に便利なものですから。

 

 

じゃあ

 

「普段の生活に必要な芸術の要素」って何ですか?

 

 

まぁ人それぞれ好みはあると思いますけど

 

一般的に言うと僕はダントツで音楽やと思います。

 

それはなぜか

 

影響力が“明らか”やからです。

 

音楽聞くと気分が良くなったり落ち着いたり

泣いたり笑ったりテンション上がったりクレイジーになったり

 

人はみんな音楽の影響を直に受けますよね。

 

 

翻って絵とか彫刻とかオブジェとかメイクアップとかどうですか?

 

メイクアップは女性には影響が明らかですけど、ほとんどの男性には興味は無いし

絵とか彫刻とか見ても、大体が「ふ~ん…」で終わりますよね。

 

もちろんその作品を見るだけで感動して泣く人もいれば

色やタッチの美しさに吸い込まれる人もいます。

 

「ふ~ん…」はちょっと言い過ぎやとしても

例えばルーブル美術館とか行ってもほとんどの人が

 

「わーぉ、すごいな~!」

 

以上です。

モナリザの前の群衆をバックに自撮りして終了です。

 

ほとんどの人が「よし、ダヴィンチの作品を買って帰ろう」とはならんはずです。

 

 

音楽を生活の一部に取り入れる人はいますよね?

いますよねって言うか、ほとんどの人がそのはずです。

 

パソコン、スマホ、MP3に入れて持ち歩いたり

YouTubeで視聴したり

はたまたカラオケにお金を払ってます。

 

1億/1億人にとって音楽は生活の一部と言ってもいいです。

 

でも、1億人が「絵や彫刻を定期的に入れ替えて朝起きた時と夜寝る前に眺めてます」

 

みたいなことしてるかって言うと、

そうじゃないと断言できますよね。

 

それは普段の生活への影響力が明らかじゃないからです。

 

だからね、基本的に芸術の中で音楽を除いた

いわゆるカタカナでアートと呼ばれるものには価値を感じにくいんですよ。

 

この記事を読んでる人は

スプレーアートとか絵に興味があるんやと思いますけど

 

あなたは本質的には価値の無いものを生み出そうとしてるんです。

 

アートって、そういう世界なんですよね。

 

アートに価値が生まれる瞬間

もうタイトルにあるように僕が100万円の車より100円の絵を売る方が難しいって言う意味がわかりますよね?

 

100万円の車と100円の絵は極端です。

極端ですけど本質的にはそういうことです。

 

1万円の車と1円の絵ならしっくり来ますか?

 

どちらにしても車を選びますよね。

車の方が明らかにメリットが多く価値を感じるわけですから。

 

 

じゃあ何でその価値のないアートに人はお金を払うのか?

 

 

それは心に余裕ができたからです。

 

人は物質的に満たされると精神を満たしたくなります。

 

どっかのキャッチコピーで「モノより思い出」というのはそういうことです。

 

考えやんでも分かると思います。

お金を貯めて絵を買うホームレスなんていないはずですから。

 

 

ということは、

物質的に満たされた人の精神面に影響を与えられた時に初めてアートに価値が生まれるわけです。

 

ただ、物質的に満たされた人がみんなアートに関心を持つかって言ったら、そうとは限りません。

人それぞれ趣味嗜好が違いますから。

 

そこでアーティストが取るべき行動とは何か

 

価値が伝わる要素

さぁここでアーティストとしてやっていくために具体的に何をするべきか

 

を話す前に、人はどういう作品により価値を感じやすいのか

今までの体験を含めたSunny目線での話をしていきます。

 

 

結論から言うと、さっきから”明らか”という言葉を強調していますけど

人は「分かりやすいもの」に価値を感じやすいです。

 

というか、分かりやすいから価値がすぐに伝わるわけですよね。

 

さっきの車と絵の比較もそうですし

スマホや冷蔵庫も同じです。

 

食う寝るの原始的な生活を必要最小限と考えると、

これらの必要ないはずのものにお金を払うのは

自分にとってのメリットが明らかに分かるからですね。

 

たぶん今「ヘルコプターあげます!」って言われても、

「いや~ヘリコプターもらってもな~…」ってなると思いますw

 

たとえ無料でも、置き場所とか操作方法とか

そもそもいつ乗るのか、使い方に困ってしまいますよね。

 

ヘリコプターに対するメリットが分かりにくいから

価値を感じにくいんです。

 

 

これはアート作品でも同じです。

 

どっかの芸人がピカソよりラッセンが好きって言うように

ピカソの作品と知らずに見たら

「幼稚園児が描いた絵やんけ」って思うと思います。

 

実際中学校で初めて美術の教科書でピカソの絵を見たとき、

僕は「これの何がすごいの?」って思いました。

 

みなさんもそんな記憶があると思います。

 

アートに対するリテラシーが無い一般の人には

ピカソのような高度な技術や深い意味が込められたよく分からん作品よりも

 

ラッセンみたいな明らかに美しい作品のが

心惹かれる人が多いわけです。

 

決して一般人がアートリテラシーが無いってバカにしてるわけじゃないですよ

 

 

知ってる人もおるかと思いますけど、

僕は美大に通ってアートの勉強をしたわけじゃないんですよ。

 

スプレーアートは独学で覚えたんで

僕はアートに関する教養が皆無なんですよね。

 

スプレーアートで食べ始めて数年経った今でも

抽象的ないわゆるモダンアートってやつですか?そういうの見ても

 

「ごめん、全くわからんっす。」って感じなんで、

アートに関しては極めて一般的な感覚やと思います。

 

 

だから僕のこの感覚が一般的やと仮定したら、

 

より抽象度が低くて技術や意味が伝わりやすい

見て明らかにわかる作品のが価値を感じる人が

いわゆる一般の大多数になるわけです

 

 

「よし、じゃあその大多数に向けて分かりやすい作品を作れば食べていける!」

って単純な話じゃないんですよね、アーティストって

 

自己満足の分岐点

日本一周

「一般大衆に向けて価値の伝わりやすい作品を作れば売れる」

 

モノを作って売るだけのビジネスをするならそれでもいいと思うんですけど、

 

アーティストってビジネスをするために作品を生んでるわけではないじゃないですか。

 

 

まずアーティストをどう定義するかにもよるんですけど、

共通して言えるのは「表現する人」ですよね。

 

心の中にあるものを表現した結果価値が伝わるだけで

売るために表現するわけじゃないし、売れるかどうかもわからんわけですよ。

 

もちろんお金を頂く以上は、価値を提供するのがプロの仕事やと思うんですけど

 

本当に表現したいものだけを表現する

 

これが本物のアーティストやと思うんですよね、僕は。

 

それが誰にも価値が伝わらずに受け入れられなければ

ただの自己満足で終わるわけです。

 

プロかアマかって話に近いですけど、

自己満足で食べていけるほど世間は甘くないです。

 

特にアートはそもそも価値がないから尚更です。

 

 

だから同じアーティストでも

「プロかアマか」と「本物のアーティストかどうか」

というのはベクトルがちょっと違うんですよね。

 

そういう意味では僕は本物のアーティストではないです。

そもそも旅先で稼ぐためにスプレーアートを始めたわけですから。

 

徐々に自己満足寄りになってってますけどね。

 

だから自分の表現したいことが

たまたまみんなに受け入れられると全員ハッピーですよね。

 

売れてるアーティストってのはそんな状態の人が多いと思います。

 

でもほとんどの人がそうじゃないと思います。

 

ほとんどの人がクライアントの要望に合わせて

納得のいかない作品を作るか

 

納得のいく作品を作ったとしても

見向きもされないか

 

そのバランスが難しいですよね。自己満足で終わるか、利他満足にするか。

単純な話ではないです。

 

まぁこの件に関してはもうちょっと深堀りした記事を書いたんで

興味があればコチラからどうぞ

画力を上げる前に注意!画家が陥りやすい負のスパイラル

 

アーティストとして食べていくには

ただ、さっきも言ったようにアーティストは表現することが仕事です。

 

伝えることもアーティストの仕事かもしれないですけど

それなら「伝わる」ことに重点を置いてるはずです。

 

要は分かりやすい方法で表現しているはずです。

 

だから表現することが仕事

価値が伝わるかどうか、売れるかどうかは表現した後の話です。

 

もう一歩踏み込んで言うと

そもそも価値のないものを生み出しているわけですから

ただ作品を生み出すだけじゃなく、

 

その後に価値を創造して伝える

セールスやマーケティングが

アーティストとして食べるのに必要な能力になってきます。

 

「表現すること」と「価値を伝えること」は

分けて考えないといけないです

 

その両方が成立して初めてアーティストして食べていくことができます

 

 

僕の場合はアーティストかつパフォーマーでもあるんで、

スプレーアートの特徴である「宇宙」という分かりやすい題材でハードルが低いのと

 

予想だにしない道具を使って、ものの数分で綺麗な絵を仕上げる

というパフォーマンス力によって感動を与えることができる

 

という点で他の絵に比べて価値が伝わりやすいと思います

 

僕は選んだものが良かったんですよね。

クソ素人のくせにここまでこれたのはラッキーやったと思います。

 

 

ただ、一般的には自分の表現を探究するのに精一杯で

セールスやマーケティングまで勉強する余裕はないと思います。

 

中には「売れるのが嫌」って言って

名前を隠すアーティストもいますしね

 

 

そんな時はサポートしてくれる人を探すのが早いと思います。

 

ミュージシャンが事務所に所属して、事務所がプロモーションしてくれるのと同じですね。

 

 

パトロンやったりギャラリーやったり

応援してくれる人、作品の価値を世にうまく伝えてくれる人がいると

 

伸び伸びと表現活動に没頭できますね。

 

まぁ音楽事務所もギャラリーも

「こういう作風にしろ」って言ってくる場合もあるみたいですけどね。

 

 

まとめ

アーティストとして食べていく要素をまとめると

1、自分の納得いく作品がそのまま世間に受け入れられる

2、誰かにサポートしてもらう

3、自分で制作からプロモーションまで全部こなす

4、妥協して、自分が納得せずともクライアントの意見に合わせる

 

上から順にハッピーですね。特に1,2番。

4番は微妙ですよね。正直。

 

とは言え、1,2番になるのは現実的な話超難しいですよね。

俗に言う「才能のある一握りの人」になります。

アーティストなんて競争率半端ないですから

 

ここはやっぱり3番の自分で活路を見出す方法しかないって感じですけど

これが簡単にできたらみんなアーティストとして食べていけますね。

 

 

なんか、もはや詰みっすねw

やっぱアーティストで食べていくって難しいわ。

 

スプレーアート選んでよかった

 

なんだかんだ4番が現実的ですかね。

妥協でも「絵を描いて食べていけたらいい」って思えると幸せですね。

 

僕は妥協するぐらいなら

自己満足で好きな作品を作り続ける方が幸せやとは思いますけどね。

 

まぁ人生どこに重点を置くかですね

 

ということで具体的な解決策は特にない記事になっちゃったんですけど

 

「セールス、マーケティング無しで単に絵を描いてるだけじゃ難しいよ~」

 

ってのが伝わればいいです

 

 

ちなみに最近、アーティストに限らず

誰でも好きなことで食べていくのが可能なシステムを構想中なんで

 

そのうち発表しますね。



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